公開できる限りのお声をまとめました

「教員の声」「生徒の声」、それぞれ一部分をご紹介します。新型コロナ渦下、状況はずいぶん変化していますが、最新の情報は「ブログ・新着情報」にてお知らせします。

教員の視点

教員から見た修学旅行

「感謝・思いやり・絆」中学校最高の思い出づくり

学校法人 上宮学園 上宮中学校
学年主任 末金和夫先生(平成24年引率)
学校ホームページ http://www.uenomiya.ed.jp

上宮中学校の修学旅行 ~3つのコンセプト~

上宮中学校では修学旅行を「最大の学校行事」として位置付け、1期生の修学旅行から議論、試行錯誤を重ね、1つのコンセプトを見出しました。

第一に都会では経験できない第一次産業に従事しておられる人たちと直接ふれあい、寝食を共にしながら、「感謝・思いやり・絆」を感じ、学ぶことで、まさに『人として必要な徳育を培い、「生きる力」を育てる』ということです。

ふたつ目には、学校見学や社会見学などのアカデミックな体験を取り入れることです。将来の進路選択に役立てさせるため、旅行中1日はしっかりと勉強をしてもらいます。

そして3つ目は、生徒の自主性を重んじる班別1日研修行動です。

24年度実施行程

内容宿泊
1新大阪~別府 地獄めぐり、アフリカンサファリ見学別府湾ロイヤルホテル
2立命館アジア太平洋大学で留学生との交流
(グローバル人材育成プログラム)
佐伯市・臼杵市へ移動、入村式の後分宿
農村民泊
3 農業・農村体験など 昼食はお好み焼きのふるまい農村民泊
4お別れ式の後、阿蘇へ移動 阿蘇草千里トレッキング阿蘇いこいの村
5熊本市内1日班別自主研修 熊本~新大阪

グローバル人材育成プログラム

この日は生徒たちにとって一番緊張する日でした。9時30分に大学へ到着すると、その緊張感を一掃してくれたのが留学生たちの笑顔のお出迎えでした。「HELLO」、「HOW DOU YOU ?」などの英語が飛び交い、後は留学生に任せて15時までプログラムにしたがって交流を進めていくのです。

実は私たちもこの留学生との交流は、英語教育に対して考えさせられる1日でもあります。日頃は試験で高得点をとるための勉強をさせていますが、果たしてそれが本来の英語教育なのか、ふと疑問に感じる時もあります。

ここで本当に分かって欲しいのは、何のために英語を学ぶのか、どうすれば楽しく英語を学べるのか。その答えのヒントを見つけて欲しいのです。ちょっとしたきっかけで人は変わります。そのきっかけをつかんで欲しいのです。しかし、こちらの心配をよそに、生徒は留学生と打ち解けていき、片言の英語が飛び交い、笑顔がはじけていました。

今回のプログラムは「世界にはばたく」というテーマで留学生と話し合い、最後にプレゼンをするというものです。プレゼンは少し心配しましたが、生徒全員が英語でしっかりと発表する姿を見ると、3年間彼らを天塩にかけて育てた私たちの胸にも熱いものがこみあげてきました。また、このプログラムを企画して本当に良かったと思う瞬間でもありました。

農業・農村体験

一番心配した天気も快晴で、まさしく農業体験日和でした。生徒は、1.佐伯市の農産物の収穫体験、2.臼杵市の稲刈り体験に分かれて、全員で農業体験を行い、その後は各家庭で各々の農村体験をさせていただきました。川遊び、魚釣り、蟹とり、栗ひろい、しいたけ狩り、木工細工、五右衛門風呂体験など、都会では絶対出来ない多種多様の体験が出来ました。

そして、その後の昼食では、生徒たちが本場の「お好み焼き」をふるまいました。実は、この「お好み焼き」は夏休みの宿題としており、その甲斐あって、大変好評であったようです。

その間、教員たちは、前夜の夜に佐伯市・臼杵市の観光課職員の方々と入年な打ち合わせを行い、引率橋委員全員(本部待機は除き)で2人1組になり、全家庭を訪問してまわりました。

どの家庭でも生徒は、学校では見たことのない笑顔で教員を迎えてくれました。このファームステイの目的である「感謝・思いやり・絆」を生徒は深く感じとってくれたようです。
ありふれた言葉かもしれませんが、何も不自由なくそだった都会の私立学校の生徒にとっては、このうえない体験をさせていただいたと思います。

また、民泊先のご家庭からの心温まるおもてなしと、心打つお話を聞かせていただき、生徒は今までの生き方を見つめ直し、これからの人生の生き方を考えさせられたようです。
本当に有意義な時間を過ごさせていただき、感謝しています。

班別自主研修(熊本市内)

最終日は熊本市内に移動し、生徒たちにとって楽しみな班別自主研修です。各班練りに練った特色ある行動を満喫していました。

心配は迷子になることと、集合時間に集合出来るかでした。生徒には、GPS付きの携帯電話を渡し、本部ですべての班の現在地を掌握し、何かあればすぐに連絡がつく体制で臨みました。

集合時間の熊本駅に生徒たちは、両手にお土産を持ち、充実感あふれる顔で予定時刻に無事全員集合することが出来ました。

生徒の声

グローバル人材育成を通じた生徒と留学生の感想

最初は意見があまり出なかった。1人の人が、言い始めて、また1人と・・・・だんだん意見が出てきて、ディスカッションらしくなってきたが、自分は全然話すことができず、こんなことではいけないと思った。人間もっと積極的になることも大切だと思った。そして、はっきりとした意見を持つことの大切さも知った。

とうとう最終日。ディスカッションの発表日だった。私たちのグループでは「人々の幸せの価値観」から始まった。人々にはそれぞれの幸せがあること、自分から見た不幸、それはただの自分を基準として考えているだけなのだと思った。人は置かれている環境によって幸せの感じ方が違うということがわかった。

そしてグローバル化について。国と国との境界がなくなることは、それぞれの国の良さや文化を失くすことになる・・・・本当に必要なのは国と国の境界を失くすことではなく、人と人の心の境界を失くすことだと思った。この国はこうだから・・・・など表面上のことしか知らないのに、その国の全体を知った気になって人を差別したり、偏見を持ってはいけないこと、固定観念をなくすことは差別をしないことにつながると思った。

留学生たちは、みんなで生活することによって、だんだん相手のことを知っていき、分かり合おうとするのだと思った。だから、先入観など無くなっていくのだと思う。自分の視点からではなく、みんな同じ視点で物を見ることができるのだと思った。

このディスカッションでは、改めて大切なことを考えさせられたと思う。いつか世界の人々が国という団体ではなく、一人の人間として評価されることを願います。
(公立高校2年生)

いろいろな人たちの話を聞いていると「目標」という言葉がよく耳に入った。正直、聞いていて「自分も、自分も」と共有できるところもあり、自分の中の時計の針が徐々に遅いけれど動き始めた気がする。

研修旅行で学んだことは、自分を動かす原動力はいつでも待っているものであり実行すれば一緒に頑張って売れるパートナーにもなる。楽しい人生を呼ぶものであると思い「原動力の重要性」を認識した。

最後に「目標」という言葉は「人生」と表現したい。なぜならば人生は楽しんでいる人は目標を楽しんでいる一度と思うからです。
(公立高校2年生)

This program really got me to understand more of Japanese student and more of myself. It made me think longer and deeper of life and goals. Having student doing participating in this kind of program in their age of progressing and finding their own path in life really is a good deal for them, as they will learn more of themselves and societies other than the one they have lived for all their life. If it ever be this program again and I am able to participate, I definitely will.
このプログラムでは、日本人の生徒達と私自身についてより理解することができましたし、私の人生や目標についても深く考えされられました。
このような年齢でプログラムに参加し自分の将来を見つめることは、彼らにとってとても良いことですし、そして今まで以上にこれから彼らが自分自身や社会を学んでいくでしょう。もしこのような機会があれば是非参加したいです。
(タイの留学生)

Well for me, I deem the program as an opportunity for high school students to open up their minds towards the globalized world that we live in today, a platform to appreciate other nations of the world and their people and also it helps them to see how they can fit in properly in an international community.
この体験は、今の国際社会を理解し、他国やその国の人々に対する尊重の念を抱き、国際社会で自分がどのように身を置くべきかを理解するものだと感じました。
(ナイジェリアの留学生)

口の悪い和尚が大好きな子ども達(農村民泊体験をした生徒の作文より)

その夜、和尚さんが帰ってきて寝かかっていた僕たちを起こして一時間ほど話をしてくれました。その話を聞いていると「この宿に泊まって良かった。」とすごく満足した気分になりました。

「勉強とは、人を救うためにする。」という言葉は自分の心にささりました。自分の将来の夢は警察官なので、この機会を大切にして今後の自分の人間性を高める材料にしたいです。
(私立中学校3年生)

僕が思うに、一番良い経験になったのは和尚と会ったことなのではないかと思います。ただ厳しいだけじゃなくておもしろく優しく僕達のタメになる事をとてもしゃべっていただきました。
また大きくなったら訪ねたいとおもいました。
(私立中学校3年生)

最終日、和尚さんの車で和尚が
「人生に行き詰まったらまた来い。」
と言われ感動してしまいました。

和尚さんは辛口口調でしたが温もりのある優しい方と最後にしみじみ思いました。
(私立中学校3年生)